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Les Françaises et une Japonaise

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フランスの理想と現実

―――あるジャポネーズがフランスの某鉄道会社にクレームを申し立てる場合―――

「言わぬが花」の日本文化に対してフランスでは何かを話し表現することが尊重される。私は日本にいた時から必要な話題と興味のある話題以外では、自国語である日本語でさえ流暢に口頭で操れる方ではない。特に、相手が喧嘩腰で来たときや、怒りモードで言葉を投げつけてきた場合など下腹部にキュッと痛みが走り何も言い返せなくなるか、それとも訳の分からない感情に捕らわれて自分自身の発する言葉が相手に説得力があるかどうかさえ冷静に判断できずにただ身体の底から沸きあがって来る押さえ難い怒りや悔しさなどの感情と戦いながら一言、二言相手に応答するぐらいである。こんな人間が何を間違ったか言論や論争を重視するフランスという国に来てしまったのだから、事がスムーズに運ぶ訳も無い。

  また、フランス人という人々が担当の仕事において問題にぶち当たったときに、まず最初に口にする二言の決まり文句が何かと言えば、「Je ne sais pas. Ce n’est pas ma faute.(知りません。私の間違いではありません。)」という自己弁護である。こんな、精神構造の労働者達がサービス業である銀行の個人顧客専門部門や鉄道会社の乗客に対する電話応対部門に従事しているのであるから、大変だ。日本で社会人としての生活を曲がりなりにも十年以上送って来た私にインプットされた常識から行けば、銀行が契約もした筈の無いサービス料を無断で口座から引き落とす様なことはまずないし、鉄道会社に支払った鉄道マイレージカードとでも言えば良いようなカードが1ケ月経っても2ケ月経っても登録した居住地のアパートへ届かず先方の会社にクレームのメールを再三送っても何ら対応がなされないという様なことはあり得ない。例えば、日本で同じようなことが起こったとして、銀行なり鉄道会社なりに1本メールを書けば、謝罪の言葉と供に「本日中に、遅くても今週中に問題を解決してお客様の本来の利益を回復するように誠心誠意対応いたします。」というような内容の返信メールが即日私のメールアドレスに入り、肝心のサービスの方も即座に在るべき姿に解決がなされるだろう。

ところが、まずフランスにおいて同じ内容のメールを顧客クレーム処理部門へ送信するとする。まず、自動返信メールが帰ってくる。このメールは「担当部署へ間違いなく転送されましたので3営業日以内に必ずお返事を送信いたします。」と言ったような内容である。首を長くして待ちに待った挙句、「これがフランスなのだ。(C’est la France. )」という諦めの感情と溜め息とともにこの言葉を吐き出すような対応がなされることもしばしばある。C’est la France.というフレーズはしばしばフランス人達自身も両手の平を肩と肘の間くらいで天に向け、肩をすくめて首を片方に少し傾けつつ用いる言葉で、現状のシステムが上手く稼動しておらず、不便かもしれないけどまぁ仕方がないよね。などという場合に用いられる場合が多い。話が脱線したが、第一のメールをクレーム処理部門へ送って3日後、私が某フランス鉄道会社から受け取った返信メールの内容とは、「お客様のクレームに対しては以下の担当部署において電話もしくは封書による異議申し立ての文書によって対応いたします。電話の場合は『××-××-××-××-××』の番号(もちろん料金お客様負担の電話番号)へ平日午前9時から12時、13時から18時の間に、封書の場合は以下の住所へ文書を郵送して下さい。住所 : ×番地、××、××市。」というもの。「出た!必殺たらい回し戦法。だったら何で顧客のクレーム対応部門としてメールアドレスを会社のホームページに掲示しておくのだ?こういう問題に対しては最初からメールではなく何処そこへ直接電話か書面を封書で送って欲しいとそのホームページに明示しておけば良いではないか・・・。でもね、C’est la France!」

これがフランスの現状なので諦めて、次の対応として手紙を書きもちろん文の組み立て方や文法が間違っていて、意味が通じないと困るのでフランス人の彼に直してもらいプリントアウトし、直筆サインと日付を入れて封筒の住所を書き、ポストへ行って郵送する。しかし、郵便物が先方に付いて1週間も経過するだろうと予測されるころになっても全く返事が来ないので、結局痺れを切らして説明が長くなれば電話代がいくら掛かるか分からない、できれば避けたい電話をすることになる。名前を名乗り、状況を何とかテレオペレーターに説明し終わり、ちょっと安堵したついでに「あんたの会社のサービスシステムって一体何なの?全然理解できないわ。」とちょっと声を荒げて付け足してみる。すると、今調べますからお待ち下さいという慌てたテレオペレーターの肉声がすぐに保留音に切り替わり、そのまま5分ほど無駄に電話料金を払って待ち続けるも全くテレオペレーターが電話口に戻って来る気配がない。多分、言葉もロクに操れない変な発音の外国人から電話が掛かって来て、言葉による暴力行為、つまりこの場合、濁声で「C’est quoi, le service de votre société ? (あんたの会社のサービスシステムって一体何なの?) Je ne comprends pas du tout.(全然理解できないわ。)」と私が発したような文句に遭遇したような場合は即座に保留音声に切り替えて対応を拒否しても良いというマニュアルがこの某鉄道会社にあるのかどうかは良く分からない。しかし、もうここまで上手く行かないと被害妄想も雪だるまのごとくに膨らんでくる。

仕方がないのであきらめて、今度は彼に私の名前で電話を掛けてもらうと、何とか話はスムーズに進み、カードが届かなかったのは先方のシステムに住所が誰のせいかは全然分からないが(客である私が住所を直接その会社のシステムに打ち込める訳はないから、絶対にカードを売った時の担当者のせいなのだが・・・。)誤入力されて誤った住所にカードが発送されているので、新規にカードを作り直して正確な住所へ発送してもらえるということに話が運び、3日後に新規のカードが出来上がるだろうから発送の前にもう一度私の携帯電話へテレオペレーターから電話が入るということになる。

そして待つこと3日・・・電話が入らず、やっと6日目くらいに電話が入る。「×月××日に私の彼がそちらに電話を掛けて、3日後にまたそちらからお電話をもらえると言われていたのに、全然電話が入らなかったから、ずっと待ってしまいました。」と腹にたまった不満を少し露出させると、申し訳在りませんの一言もなしに、「問題解決に時間がかかっていました、そういう訳で私が今あなたにお電話を差し上げています。」とさらりと言い返される。そんな時は仕方が無いので渾身の力を込めて「Alors, je vous remercie, en tous cas!(まぁ、何はともあれどうもありがとうございましたねぇ~!(これはフランス人も良く使うMerciの嫌味な使い方。)」と対応しつつ、でもまぁ問題が解決されてどうやら新しく発行されたカードに現在まで買ったチケット分のマイレージを移し変えてだいたい一週間後くらいにカードが発送されるらしいので、ほっと胸を撫で下ろし一件落着となる。

ところが、「そう言えば前回の電話ではムッシューが電話を掛けていらしたとパソコンの記録に残っていますが、貴方は女性ですよねぇ。」とテレオペレーターに確認されるので、「だって、その前に本人の私が電話を掛けたら、外国人である私の発音が良く聞き取れなかったのか(私の言葉が暴力的だったのかと墓穴を掘るようなことは、ここでは決して言わない。)、電話が途中で切られてしまったから(保留という単語が即座に思い浮かばなかった。)フランス人の彼に変わりに電話をしてもらったのですよ。」と説明を加える。

先方も納得し、待つこと12、3日後、やっと某鉄道会社から封書が届く、しかし、「またやりやがったなフランス版、オッチョコ事務処理!」、だから私はムッシューじゃなくてマドモアゼルだと訂正しておいたのに、封筒の宛名書きはしっかりとMonsieur(ムッシュー) B…. Célineとなっている。またもや問題発生か?なぜなら、カードの名前がMonsieurになっていたら、鉄道の中やチケットを買う時にカード所持者と提示するカードが不一致と見なされて結局このマイレージカードが使えないじゃないかと心配になりつつ中身を確認する。「あぁ、良かった。カードは登録したときのまま、Mademoiselle(マドモアゼル) B…. Célineのままだった。ちゃんちゃん。」そして、かれこれこの鉄道マイレージカードもどき代の30ユーロを支払ってから3ヵ月後にやっとカードをこの手にしっかりと受け取ることができた。この時は苦労が報われて感動も一入であったが、しかし、なぜカード一枚手にいれるのにこんなにエネルギーが必要なのだろうか?

 また、カードの有効期限は2年間なのだが、私がカードを手元に受け取れずカードを提示すれば入れる駅の少し奥まったところに落ち着いて電車を座って待てるサロンへ入れなかったり、3ヶ月間先方のミスのせいでカードによる利益を十分に享受できなかった部分があるにも関わらず、有効期限は私がカード代の30ユーロを支払った日から数えてキッカリ2年後に切れることが正確な住所で再発行された新規のカードにも明示されているのであった。


今回は、9年前にフランス語を始めてからずっと暮らしたかったフランスの現状の一部を甘やかされ続けて来た日本人顧客の立場でレポートしてみた。今のところフランスの乱暴な顧客対応にストレスを多大に感じつつも、日本社会とのあまりの相違に日々翻弄されることに変な快感を覚えているような気もする。日本で生活していた時にも他の色々なストレス、例えば、マイペースでじっくり自分の考え出した順序で頭を整理しながら物事を進めたいときに後ろでせっかちな上司に「速く速く速く」などと連呼されたり、日常生活で他の人と違う反応、例えば会社の飲み会に参加しても女性らしく場を盛り上げたり、酒を注いだりすることを拒否したりしていると、まるで魔女か何かのように狩り出されそうになったり等々、色々違う種類のストレスが存在した。どこに行ってもパラダイスのようストレスフリーの生活なるものは現実的には存在しないのだろうと思う。また、ストレスフリーになったらなったで刺激がなくて何もやる気が起こらなくなって来そうな気もする。今いるところでどうやって、自分の好きなこと、好きなもの、気の会いそうな仲間を見つけて生活の質を上げて行くかということを考えている。

フランス人達の気質と先天的及び後天的に作り上げられた私の気質が衝突して、頭がクラクラしてしまうような出来事には頻繁に遭遇する。一つ一つ列挙し出したらエベレストぐらいの標高に積み重なってしまのではないかと思えるぐらいだ。ただ、念願叶って外にさえ出れば、また家の中にいてさえもラジオのスイッチを入れさえすれば、心地よいフランス語を自然に耳にすることができ、本を読んだりレポートを書いたり、つたないながらもフランス語で論理的に話す訓練をする絶好の機会である口頭発表の準備などができる現在の生活に満足はしている。無論、旅行をしたり綺麗な洋服を買ったり、ふらりとレストランに入って食事をしたりと言ったような贅沢ができる状況では全くないのだが、待ちに待った空白の時間をフランスで手に入れて、文化的に贅沢をしているとは思う。

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フランス生活で日々 感じたことなどを地道に綴って いきたいと思います。 美しくて気まぐれで直情型のフランス女達と マイペースな1人のジャポネーズとの 壮絶バトルもあるかも・・・?

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